後追いとは、赤ちゃんが特定の人、通常はパパ・ママや主に世話をしてくれる人に対して強い愛着を示し、その人が視界から消えると不安や恐怖を感じて泣いたり追いかけたりする行動です。後追い行動は、多くの赤ちゃんは生後半年~11ヶ月頃に後追い行動を始めますが、時期は赤ちゃんによって異なります。赤ちゃんは、この時期に「不安分離」と呼ばれる発達の段階に入ります。親がそばにいないと安心できなくなり、視界から離れるだけで泣き始めます。後追いは、赤ちゃんが自分自身と他人を認識し始め、パパ・ママとの強い結びつきを感じるようになるために起こります。成長過程では、ごく自然なことです。
子どもの成長は嬉しいけれど、いつまで続くんだろう…と悩むパパ・ママも多いのではないでしょうか。
今回は、そんな赤ちゃんの後追いについてお話します。
動けるようになるため
後追いが0歳後半から始まるのは、そのくらいから自分で移動することが出来るようになるからです。今までは寝ているか、寝返りをしてその場所で過ごすだけでしたが、ハイハイができるようになり追いかける術が出来たので、大好きなパパ・ママのことを追いかけるのです。
記憶力が上がる
0歳後半には、記憶を保持する力が発達してきており、「よく知っている顔」「記憶にない顔」とママやパパの顔を覚えて、見分けられるようになります。いつもお世話をしてくれるパパやママの姿が見えなくなると「いない!」と泣いたり探したりしてしまうのです。この時期の赤ちゃんは、ママが再び戻ってくることは理解ができません。また、あと何分戻ってくるという時間の感覚がありません。もうパパやママが戻ってこないのではないかと不安になってしまうのです。パパやママに安心感や信頼感を抱き、愛着を深めている証です。
後追いしない子もいます
赤ちゃんによっては、後追いをしない子もいます。これは育て方というよりも、赤ちゃんが1人1人持った「個性」や「性質」による影響が大きいと言われています。不安を感じにくい子や、普段から多くの人が家に出入りしているような環境や人が多い大家族などでは、赤ちゃんの後追いが少ない場合もあります。
声をかけて安心感を与える
赤ちゃんが不安を感じた時に、パパ・ママである親が積極的に声をかけることが大切です。部屋を出るときは「また戻ってくるからね」と言って、赤ちゃんが次の行動が予測できるようになり、不安を減らすことに繋がります。優しい声で話しかけることで、赤ちゃんは「この空間は安全」という安心感を感じることが出来ます。
赤ちゃんから見える範囲に居る
パパ・ママが視界から消えてしまうと不安を感じて泣いてしまう赤ちゃん。可能な限り、赤ちゃんが見える範囲内で洗濯物を干したり、畳んだり、食器を洗ったろ家事を行うといいでしょう。赤ちゃんの視界に入るところに居れば、パパ・ママがすぐそばにいることを実感し、安心して遊ぶことが出来ます。上手く声をかけながら、少しずつ活動範囲を広げていくことで、赤ちゃんの中に、少しならパパ・ママが視界から消えても大丈夫という自信が育っていきます。
完璧な家事は諦める
仕事も家事も大切ですが、後追いが激しい時期は完璧な家事は諦めて、赤ちゃんと過ごす時間を優先してあげましょう。時短で出来る料理や家電に頼ってご飯作りをしたり、時にはお惣菜を買って済ますこともひとつの選択肢として持っておきましょう。そうすることで気持ちに余裕が生まれ、赤ちゃんとの時間を心置きなく楽しめます。
気にしすぎない
後追いが激しいと、何もできなくなりイライラしてしまいます。後追いはいつまでも続くわけではありません。遅くても2~3歳頃までには終わります。泣きながら後追いしても「今は仕方ない、今だけのこと」と受け流すことも大切です。
おんぶ・抱っこ紐を使う
どうしても家事をしなくてはいけない時は、両手が空くおんぶ紐や抱っこ紐を使いましょう。ただし、思ったよりもパパ・ママの体に負担がかかるので、使う頻度や時間などは工夫しましょう。
後追いは生後8ヶ月頃から激しくなり、生後9ヶ月~1歳頃にピークを迎えると言われています。ピーク時には、すぐに大きな声で泣き始めたり、ハイハイでパパやママを追いかけ回します。中には後追いが激しすぎてトイレにも行けない、掃除もできなくて家の中が散らかり放題なんてこともあります。多くのパパ、ママが赤ちゃんの後追いで困った経験をしています。
後追いがいつ終わるのか、赤ちゃんによって個人差が大きいものの、だいたい1歳半から2歳、3歳頃までには落ち着いてくることが多いです。また、後追いはピタリと終わるわけではなく、少しずつ少なくなっていくので「そういえば最近後追いをしなくなった」と後から終わったことに気付くこともあります。
後追いは永遠に続くわけではありません。期間限定の後追いを楽しむぐらいの気持ちでこの時期を乗り越えましょう。子どもの成長はあっという間です。きっと後追いをしていた頃を懐かしく振り返る日が来ます。