暖かくなってきた時期に気になるのが紫外線です。紫外線は、3月頃から急激に強くなりはじめ、5~7月にかけてピークを迎えています。1日の中では、10時頃から14時頃までが最も強いとされています。また、日本では南へいくほど紫外線は強くなりますので、充分な対策を心がけたいところです。
子どもは大人よりも肌がデリケートなので、紫外線(UV)対策はとても大切です。しかし「紫外線=悪いもの」と思われがちですが、実は子どもにとっても“適度な紫外線”は必要なのです。
今回は子どもの紫外線対策についてお話します😊
ビタミンDを生成し、骨の成長を促す効果
紫外線には肌トラブルや皮膚がんのリスクがありますが、適度に浴びることでビタミンDを生成し、骨の成長を促す効果もあります。そのため、子どもには紫外線に過剰に過敏にならず、適度に浴びるようにしましょう。
紫外線とビタミンDの関係
・紫外線によって体内でビタミンDが生成される
・ビタミンDは骨を丈夫にしたり、免疫力を高めたりする作用がある
・日焼け止めを使用するとビタミンDの生成が低下する
・日光不足や日焼け止めの多用によりビタミンDが不足する可能性がある
ビタミンD不足すると
・けいれんを起こす
・骨が曲がりやすくなる(ビタミンD欠乏性くる病)
・発育や発達に影響する
ビタミンDを摂取するもう1つの方法
・鮭やマスなどの魚介類、干し椎茸やキくらげなどのキノコ類に含まれるビタミンDを食事から摂取できます。
日焼け(急性の肌ダメージ)
赤くなる・ヒリヒリする・水ぶくれができるなど肌トラブルが起きてしまいます。また、子どもの肌は大人よりも薄くて敏感なので、軽い日焼けでもダメージが大きいです。
将来の皮膚がんリスク
子どもの頃にたくさん日焼けをすると、大人になってから皮膚がんになるリスクが上がるという研究があります。特に、水ぶくれを伴うような強い日焼けは注意が必要です。
将来のシミ・そばかす・シワの原因に
紫外線は肌の奥(真皮)にもダメージを与えるので、肌の老化(光老化)の原因にも。小さい頃からの積み重ねで、大人になってから差が出てくることもあります。
目への影響
紫外線は目にも悪影響を与える可能性があり、白内障や角膜炎、翼状片(白目の部分が黒目に入り込んでくる)などのリスクが高まります。特に、水辺や雪の反射光が強い場所では要注意!
免疫力の一時的な低下
紫外線を浴びすぎると、皮膚の免疫機能が一時的に低下することがあります。また、風邪や肌荒れが悪化しやすくなることもあります。
どのくらい浴びればいいの?
これは地域・季節・肌の色・時間帯によって変わりますが、日本の多くの地域では、毎日15分~30分ほどの軽い日光浴で十分と言われています。
たとえば…
・通園・通学時に帽子をかぶって歩く
・朝や夕方に少しだけ公園で遊ぶ
・室内でも窓際で光を浴びる(ガラス越しではビタミンD生成は少なめ)
毎朝、日焼け止めを塗る習慣を
登園・登校前に、顔・首・腕などの出ている部分に日焼け止めを塗りましょう。SPF20~30、PA++程度の子ども用でOK(強すぎない方が肌にやさしい)。保湿タイプやミルクタイプなど、肌に合ったものを選んでみてください。
●去年の日焼け止め、使っていいの?
基本的には “使わない方が安心” です。紫外線を防ぐ成分(UVカット成分)が分解・劣化して、本来の効果が出ないことがあります。特に「開封済み」のものは空気や日光、温度変化で成分が変質しやすいです。また、肌トラブルの原因になることも。防腐剤や乳化剤なども劣化して、かゆみ・かぶれ・湿疹のリスクがあります。特に子どもは肌が敏感なので注意が必要です。
●使用期限の目安
・未開封…製造から約3年(ただしパッケージ記載をチェック)
・開封済み…1年以内に使い切るのが基本!
・高温多湿で保管…劣化が早まるのでNG(車の中、窓際など)
帽子をかぶる
通園・通学、公園へ行くときなどは必ず帽子をかぶりましょう。通気性がよくて洗えるものが便利です。男の子にも女の子にも似合うシンプルなUVカット帽子もたくさん出ています。
UVカットの服を活用する
普段着でも、最近はUVカット素材の長袖Tシャツやパーカーが増えています。外遊びが多い子には **薄手の羽織(パーカーなど)を1枚常備しておくと便利です。
目の紫外線対策(+α)
日常生活で長時間外にいるわけでなければサングラスは必須ではありませんが、目が弱い子や、紫外線に敏感な体質の子には帽子+つばで目を守るのが基本。
日陰や日よけを上手に使う
徒歩移動が多いなら、木陰を選んで歩いたり、ベビーカーにUVシェードをつけるのも◎。車の中も意外と紫外線が入るので、サンシェードやUVカットフィルムがあると安心。
日焼け止めの“落とし忘れ”に注意
帰宅後は、泡タイプの石けんなどでやさしく洗い流すことも大切。落としきれないと肌トラブルの原因になることも。
まずは冷やす(初期対応)
肌が赤い・熱を持っている場合は、すぐに冷やすのが第一!冷たいタオルや保冷剤(※タオルで包んで)で、10~15分を目安にやさしく冷却しましょう。お風呂にすぐ入れると刺激になることも。まずは冷やしてから!
しっかり保湿
日焼けは肌が「乾燥してバリア機能が壊れた状態」です。冷やした後、低刺激の保湿剤(ジェル・ローション・ワセリンなど)でたっぷり保湿してあげましょう。ベタつきが少ないタイプ(アロエ入りジェルなど)が子どもには人気。
お風呂はぬるめのお湯で
熱いお湯はNG!肌に優しいぬるま湯(36〜38℃)でサッと洗いましょう。石けんを使うなら泡タイプでこすらず、やさしく洗ってください。
寝る前も保湿&涼しくして休ませる
就寝中は汗もかきやすいので、通気性のよいパジャマ&クーラーや扇風機で涼しくしましょう。寝る前の保湿もしっかりしましょう。
症状が強い時は病院へ
以下のような場合は、小児科や皮膚科に相談をしましょう。
・水ぶくれができている
・肌がただれている・痛がる
・熱が出ている・ぐったりしている
・強いかゆみやかきむしりがある
日焼け後のNG行動
・ゴシゴシ洗う…肌に刺激が強すぎる
・氷を直接当てる…冷やしすぎで凍傷になる恐れ
・化粧水や大人用日焼け止め…アルコールや香料で刺激になる場合あり
子どもの紫外線対策は【紫外線を浴びすぎないこと】です。外遊びをする場合は、日差しが強くない時間帯や日陰の場所で遊ぶようにするなど、紫外線を多く浴びないようにする工夫が大切です。
しっかり紫外線対策をして、外遊びを楽しみましょう😊